看護論文のまとめ方

看護研究発表に向けて

ケース・レポートの書き方とまとめ方のポイント

ケース・レポートは、文字通り、ケースについての報告をするものです。報告ですから、「事実をありのままに伝える」ことを、主眼とします。補足説明が無いと理解することができないものには、説明をつけます。

 

しかし、特別なものを除いて、解釈の必要はありません。その結果をもとに解釈し、検討し、対策を考え、計画を策定するのは、その報告を受け取った人の役割です。

 

したがって、ケース・レポートには、レポートをする人の解釈は、本来は必要ありません。
以下、ケース・レポートを行うためのポイントを簡単に述べます。

 

  1. 目的の確認

    そのケース・レポートを、何の目的で必要とするのかを確認します。その確認によって、レポートするべき事項を確認できます。どのような経過をたどっているのかを知る目的のケース・レポートの場合には、経過が中心となります。
    どのような処置が行われているかを知る目的のケース・レポートの場合には、処置が中心になります。それぞれの問題に、どのように対応したかを知る目的の場合には、それぞれの対応が中心になります。
    何を目的とし、どのように使用されるのかを確認しておくことによって、必要な情報がわかるのです。

  2. 形式の確認

    ケース・レポートを行う際に、所定の形式が定められている場合があります。
    所定の形式とは、永い経験から集約されて定められるものが多いのです。そのため、まず所定の形式にしたがうことによって、一定の水準を保証され、最低の価値基準が満たされるのです。
    しかし、所定の形式にしたがっているから、それでよいということにはなりません。形式的に整っていても、中身・内容が無いと、ケース・レポートとしての価値はありません。ケース・レポートの形式は、それぞれのところで、それなりに作りあげられていますので、それにしたがってください。

  3. 期限の確認

    ケース・レポートを行うのが、いつなのかを確認します。所定の期限前までに完成させ、十分に余裕をもてるように、仕上げておきます。

研究発表の準備と発表の仕方

看護研究は発表されることによって、価値を獲得します。したがって、発表の準備には重大な意味があるのです。十分な準備をしないままで、よい発表をすることはできません。

抄録の作成の仕方

抄録は、原著論文を書き抜いたもの、抜き書きしたものです。
抄録に必要な要素は、すでに述べたように、「この研究の目的」、「この研究の方法」、「この研究で得られた結果」、「この研究で主張したい結論」の4つです。どの1つが抜けても、抄録とはいえません。

 

抄録のもとになるものは、「まとめ」です。「まとめ」に必要な要素と、抄録に必要な要素とは、完全に一致しています。したがって、「まとめ」を書き直すだけで、抄録が作れます。

 

「まとめ」に書いてある「この研究の目的」を、「はじめに」の要素で補うと、抄録の「この研究の目的」がまとまります。

 

「この研究の方法」には、具体的な情報を、少し追加します。
「この研究で得られた結果」には、結論として主張したいことの裏づけとなる事実の情報を追加します。
「この研究で主張したい結論」には、「まとめ」のときよりも、具体的な形で書きます。

 

一通り書きあげたら、誤字・脱字・嘘字・当て字がないように、辞書で全部の文字を確認します。送り仮名、現代表記法、句読法なども確認します。。
抄録は、目で見るものですから、読みやすさも大切です。漢字とかなの比率によって、印象が変わります。漢字を全文字数の30%程度にすると、読みやすく、見やすい字面になります。

 

語尾は、「である。」、または、「でない。」で統一します。判断を明確に表すためです。「である。」と言い切れないのではないか、という疑問がある場合には、書かないことにします。常に明確な判断を積み重ねる必要があるからです。

 

そうすると、場合によっては、「何も書くことが無い」ということになりかねません。しかし、それでもやむを得ません。研究論文や抄録とは、そういうものなのです。

 

適切な見出しをつけると、内容の理解に役立ちます。見出しは、「凝縮の文学」といわれるものです。見出しを見るだけで、その人の実力が推定できます。

 

 

口頭発表用演説原稿の作成の仕方

抄録を耳で聴くものに変えると、口頭発表用演説原稿になります。
口頭発表用演説原稿は、耳と口で作るものです。

 

まず最初の作業として、抄録の語尾を、全部「であります。」または、「でありません。」という判断を明確に示す敬体文に書き改めます。

 

次に、語尾の敬体文に合わせて、その前にある言葉を、より平易な言葉に書き改めます。
たとえば、
「抄録は、「である。」または、「でない。」という語尾で統一されて書かれている。それを、「であります。」または、「でありません。」という敬体文に書き改めるのです。

 

次に、語尾の敬体文に合わせて、その前にある言葉をより平易な言葉に書き改めます。

 

たとえば、
「抄録は、「である。」または、「でない」という語尾で統一されて書かれているのであります。それを、「であります。」または、「でありません。」という敬体文に書き改めるのです。

 

次に、語尾の敬体文に合わせて、その前にある言葉をよりやさしい言葉に書き改めるのであります。」
という要領です。

 

そして、見出しを全部消し去り、その代わりに、ことわりの言葉を入れます。

 

たとえば、
「..という仮説を立て、これを検証することに致しました。
(2)方法および対象
  1.方法
    方法としては、。。。・」
を、
「..という仮説を立て、これを検証することに致しました。
次に、方法について述べます。
方法としては、。。」
または、
「..という仮説を立て、これを検証することに致しました。
方法としては、・・・。」
といった要領です。

 

看護研究発表用補助資料の作り方

発表用補助資料は、耳で聴く口頭発表用演説原稿を、目で補うものです。そのため、口頭発表用演説原稿の流れにそっていなければなりません。

 

口頭発表用演説原稿と異なると、視覚の優位性の関係もあり、せっかくの口頭発表を無視されてしまうからです。

 

発表用補助資料は、いつも使えるとはかぎりません。そのため、口頭発表用演説原稿は、発表用補助資料なしでも全部わかるようにしておく必要があります。

図(figure)

図は、資料の全体像とその比率や変化を、一目で直観的に伝える働きをもっています。
図として扱われるものに、写真・説明図・グラフがあります。
写真は、内容の真実性を証明するのに効果的です。
説明図は、内容の説明に有効です。
グラフは、データの提示、論文内容の説明、データの変化を示すのに有効です。

 

図1、図2。。と、通し番号をつけ、何の図であるかの説明をする文(キャプション)を必ず添えます。これは、描いた図の下に書きます。
各項目を示す言葉は、基本的には英語を使います。世界中で通用する言葉で書くというわけです。

 

表(table)

表は、データの表示や、論文内容の比較整理をするのに、効果的です。さらに、説明したり、論文内容を整理して表現する方法としての「列
記」も表の一種として考えられています。

 

表1、表2。。と、通し番号をつけ、何の表であるかの説明をする文(キャプション)を必ず添えます。これは、書いた表の上に書きます。

 

スライド

内容の真実性を証明するための写真をスライドにする場合と、図表をスライドにする場合とがあります。写真をスライドにする場合には、スライド用のフィルムで撮影して、現像するときに、スライドにするように依頼すれば、そのままできあがりです。

 

図表をスライドにする場合は、もとになる図表をキッチリと描き、スライト・用のフィルムで撮影すればよいのです。作業の全部を自分でやれればよいのですが、自分で行うのが困難な場合や技術が無い場合は、原図表を描いて、写真屋さんにスライト・にするように依頼すればよいのです。

 

スライドを提示した際には、必ずそのスライドについての説明をする必要があります。研究全体をスライドにしておいて、スライドだけで発表する方法もあります。

 

OHP・プレゼンソフト

扱い方は、スライドと同様です。ただし、描くのが難しいのが難点です・部分的に描き、重ね合わせて変化を示すという独特の使い方ができます。

 

動画

動きを示す場合に、抜群の効果を発揮します。シナリオをしっかり書く必要があります。編集の技術もできあがりを大きく左右します。何度か繰り返すと上達します。映画のような動画を作る作業は、とても面白いものです。同じように、動画やDVDは、撮影は、簡単にできますが、編集するのには技術的に高度なものが要求されます。