痴呆老人に対する対策

老人に対する各種の施策としては、昭和38年の老人福祉法、昭和48年の老人医療費支給制度、昭和58年の老人精神保健対策、老人保健法などがあります。さらに、近年では平成に入ってから数年おきに法律が定められています。

 

これらのなかで、痴呆老人対策も次第にとり入れられてきましたが、今後、もっと充実され、一貫した保健・医療・福祉ケア・システムが確立することが望まれています。

 

痴呆老人のケアのあり方

今までのケアには2つの方向があります。
その第1は、心情的なケアで、
「老人は今まで社会のため、家族のためつくしてきた。だから老人を尊敬し大切にしなくてはならない」
「老人は家にいるのが、もっとも幸せだ」
「老人に生きがいを与える」な
どといわれているように、心から老人を敬愛してケアをすることです。

 

その第2は、経験的ケアで、
痴呆老人をかかえた家族や、それらに対応する保健師・看護師などがいろいろな困難にぶつかって、そのつど工夫しながら解決していった経験の積み重ねによるケアです。

 

この2つのケアの態度は、根本的に必要なことで、これなくしてはよいケアは成り立たないと思います。しかし、これだけでは、その時、その場、その人だけに限られて、あとに統きあるいはよりよいケアの仕方を欲する人たちに、伝わりさらに改良されてゆくことが困難のようにも思われます。

 

そこで第3の、理にかなったケアの確立が必要になります。
これは根拠・方法・結果など、こうだからこうこうしてこうなるという、誰にでもなるほどとそのすじみちがわかって、やれば行うことのできるようなケアにすることです。

 

痴呆老人とケア記事一覧

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老人の増加と痴呆老人の頻度

よく知られているように、日本では老人(65歳以上)の増加がめざましく、現在は総人口の20%以上をしめるようになってきています。国連の規定では、7%以上を老人国といますが、日本はもんくのない老人国で、九州各県は特に老人県といえます。このように、毎年0.2%ぐらいずつ増加しています。この激増する老人のなかで、認知症老人のしめる割合は、世界の先進国はどこでも、65歳以上の老人の3〜5%であり、日本のいく...

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老人の痴呆についてのレベル(老人のぼけのレベル)

一般の人に、老人ぼけとはどのようなものか、という問いかけに対して、その答えを整理すると次のようなものが挙げられています。第1は、「極端に忘れる」という記憶面のことです。これについては、忘れっぽくなった。ご飯を食べても10分もすると、まだ食べてないと要求する。自分の年齢や住所さえ忘れ、自分が結婚したことや子供のことまで忘れる。などがあります。第2は、「頭が悪くなってきた」という表現で、知的能力の低下...

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老年期痴呆疾患・認知症患者は2種類に分けられる(痴呆老人)

老年期になって痴呆をあらわす病気は多種類ありますが、その代表的なものは老年痴呆(認知症)と血管性痴呆で、全体の70から90%をしめるといわれています。老年痴呆老人になると皮膚はやせて乾燥してしわがより、髪の毛は白くあるいは脱けてくるように、老化による変化が脳にも起こり、脳がちぢんで小さくなり(萎縮)、そのため痴呆が起こるものです。この際には神経細胞も老化性に変化したり脱落し、その付近に老化によるし...

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