自分がオムツをした状態をイメージする

 

患者の思いを共有することから始める

患者の思いを共有することから始める看謹の現場は忙しく、業務優先、治療優先になりがちです。だから、「必要悪」と分かっていて
もオムツを使用してしまうんです。

 

そのなかで、オムツを減らし、看護の質を高めるために必要なこと
何でしょうか。

 

やはり、

  • 「自分がオムツをしたらどんな思いがするか」
  • 「肉親がそうなったらどう思うか」
という具体的イメージを持ち、患者の思いを共有することからスタートしてほしいですね。

これを踏まえたうえで、オムツをしている患者のうち、便座に座ることができる患者のオムツを外すための対応策はどんなものがあるのでしょうか。

 

排尿パターンを知る

まずは排尿パターンを知ることから始めることになります。
「尿意のサインの有無、排尿回数、排尿間隔、失禁の状態などを徹底チェックし、トイレやポータブル・トイレでの排尿をできるだけ目指します。
それでも駄目な場合にのみ、オムツ使用を考えることにするんですね。
例えば、

  • 1時間半ごとのトイレ誘導で失禁しない
  • 2時間ごとのトイレ誘導で失禁しない
  • 日勤帯で1時間半~2時間ごとのトイレ誘導で失禁はしないが、夜間帯は失禁してしまう

というように排尿パターンを把握し、それに合わせたトイレ誘導を行っていくんです。

 

高齢者の排便特性と排便パターンを知る

年をとると、一般的に腸の動きも低下します。消化のよいものばかりを食べていることにより、機能が低下し、消化機能が低下し、イレウス準備状態になりやすくなります。運動量が低下し、寝ていることが多いために便秘にもなりやすいものです。

 

このため、水分摂取量や食事摂取量が、毎日あまり変わらないようにすることが大切です。

 

便意を覚えると、その人独自のサインを出すことが多いです。例えば、目がきょろきょろする人、お尻に手をやる人、ズボンの中に手を入れる人......。一人一人のサインを把握するようにするんですね。排便のサインや、排尿と同じく排便パターンを知って、それに併せてトイレに誘導します。

 

リラックスさせ、排泄しやすい環境作りをする

トイレへの誘導

トイレへの誘導を習慣化することによって、患者自身の排池に対する学習能力が芽生えます。最初は失敗があったとしても、トイレへ向かおうとしたり、便や尿意を訴えるようになって、それを繰り返すうちにオムツが外れるケースもあります。

 

ただし、「強制されて仕方なく行く」という意識を患者に持たせてはいけません。本人が行きたくないのに、「時間だから」と強制するのは禁物です。

 

具体的なトイレ誘導の進め方の基本は、オムツを使用している場合、オムッが汚れていても汚れていなくても、排尿・排便パターンに従って便座に座ってもらうことです。

 

洋式便座に腰を下ろし、床に足をつけると身体がリラックスする。介護者はブラインドなどを下ろしてプライバシーに配慮する。腹圧がかかることで、自然に排尿や排便が起きることもあるからです。

 

ちなみに、ベッド上での床上排泄は、膀胱や直腸に十分な腹圧がかからないため残尿があって、すっきりせず、すぐに次の排祉の訴えになります。残尿は膀胱炎の誘因にもなります。便座に腰掛けてから、排尿・排便まで時間がかかる時は、介護者は外でゆっくり待ちます。ただし、転倒などのおそれもあるので、時々、話しかけて様子をうかがう必要がありますね。

 

この時、患者をリラックスさせる話法を心がけたいものです。できれば、患者を笑わせるような話が望ましいです。笑うと腹圧がかかり、サッと尿や便が出ることがあるからです。

 

かつて、水の流れる音を流すと、それにつられて胚乳が起きやすい、と言われていたことがあるから、電子音ではなかなか人間の身体は反応しないんです。例えば、こんなふうに感じに話しかけたりします。

 

「昔、川に入っておしっこしたことある?私もやったことがあるけど、あれ、気持ちいいわね」

 

すると、ちょろちょろと排尿に成功したケースが多いです。心や脳を適度に刺激して排尿を導くことが大切です。

 

なかなか出ないときでも「出た?」と聞くのは禁物ですね。
「出そうかな」という時に声をかけられると、逆に緊張して出るものも止まってしまうことがあります。

 

そして、患者が「でませんでした」と言って立ち上がった途端、排尿し、衣類を汚してしまうというケースも少なくないのです。

 

これでは患者の自尊心を傷つけるばかりか、介護者も後始末に追われ、かえって時間とてもなくかかってしまうことになります。排尿に成功したら「よかったわね」「嬉しいわね」と声をかけ、喜びを共有すると患者の自尊心は傷つきませんね。

 

次は>>高齢者介護でのオムツ減らしの実例と効果

 

 

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