消化器疾患の専門病院でガン告知された患者の担当看護師の悩み

消化器疾患になりやすい患者はストレスを感じやすいタイプ

消化器疾患の専門病院では、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門などの疾患と、肝臓、胆のう、膵臓など消化に係わる臓器の病気が主な治療対象になります。

 

その性質上、癌の患者が多いですね。内視鏡検査やCT検査などで早期発見できればいいのですが、発見された時には手遅れというケースもたくさんあります。看護する立場としてはつらいですね。

 

がんの場合、最近では本人に告知するケースが増えてはいるのですが、家族から告知を止められることもあります。入院患者は40歳代、50歳代の働き職りの男性が多いこともあって、対応にも気を使います。

 

もともと、ストレスを感じやすいタイプの人が比較的、消化器疾患になりやすいという傾向もありますから、言葉かけ一つとっても、不用意な言い方はできません。

 

まだ新任の頃、「大丈夫ですか」と患者に声をかけた時、「大丈夫じゃないから僕は入院しているんだよ」と言われたことがあったのです。こんなたわいもない一言が、患者にとっては気に障る場合もありますのです。それからは「いかがですか」と声をかけるようにしています。

 

誤解を恐れずに言えば、看護とは失敗からの学びです。言葉かけ一つで患者の心を波立たせることもありますし、人生経験の浅さから恩者の心をくみ取れないこともあります。

 

もちろん、命に係わるケアレスミスは許されないですが、人生経験の浅さからくる失敗は学びに通じます。それに気づくかどうかが、成長の分かれ目なのかもしれないですね。

 

消化器疾患の専門病院では癌の患者と接することが多い職場ですから、確かに神経は使います。一人ひとり抱えている状況も違いますから。でも、だからこそ、やり甲斐がありますと言えます。

 

余命3カ月と告知された後自分の人生を語り続けた患者

まだ40歳代前半でありながら肝内胆管癌に侵され、余命は3カ月と診断されました。入院した当初から気難しく、担当ナースでもなかなかコミュニケーションがとれなかませんでした。

 

その患者には、余命のことも含めて全告知をしました。告知の場に立ち会ったのですが、薄々感じていらっしゃったとはいえ、やはりすぐに告知内容を受け入れることはできませんよね。まだ若くて、働き盛りなのですから。

 

医師の言葉をかみしめるように聞いていたその患者さんは、担当のナースに「話を聞いてほしい」と言い、それから3日間、奥さんと出会った頃の話、子供が生まれた時の話、そして仕事の話など、それまで生きてきた人生を語り続けていました。

 

癌のことはいっさい口になさいませんでしたが、余命3カ月と宣告されたことをまだ受け入れられないということは、言外に伝わってきました。受け入れられないけれど、今、誰かに自分の生きてきた道筋を話しておきたいというお気持ちだったのかもしれませんね。

 

手術後、闘病生活を続けたのですが、結局、大量出血で亡くなってしまいましました。しかし、入院中ずっと「生きられるよな」と口にし続けていました。余命3カ月と宣告されていても、生きる希望は捨てなかったものでした。

 

やりたいことがまだたくさんあったのに、「お父さん、寝ちやってるの?」と死を理解できないほど小さなお子さんがいたのに、.....。手遅れであったことが悔しいですね。早期発見の大切さを、心から実感した出来事でした。

 

忙しい仕事のなかで、患者の心の中にまで入っていく看護をすることが難しいだけに、こうした交流の時間を持てた患者は忘れ難いですね。

 

もし、看護師の仕事をしていて、悩みがあったり、病院の人間関係などについてまで知りたかったら、相談だけでもしてくれるところがあります。
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