酒は百薬の長!?と言われると看護師の対応は?

病院内で酒盛りされては困る

骨折や外傷等で入院している成人患者さんにとって、入院生活で最もつらいことの一つが、お酒を飲 めないということのようですね。どこの病院でも、大抵、喫煙はできてもお酒は飲めません。

 

飲酒(アルコール)の効用は、食欲の増進、ストレス解消、循環の促進などがあって、「酒は百薬の長」 と言われます。しかし、酒が百薬の長なのは少量の場合で、やはり飲みすぎてはいけませんね。飲酒を禁 止される一般的な疾患として、アルコール依存症、 肝臓疾患、牌臓疾患などが挙げられます。

 

肝臓疾患その他で飲酒を禁止されている場合を除 いて、一般病棟における禁酒の理由は案外単純です。
それは、酔っぱらってもらっては困るということです。酔って騒がれたり、ほかの患者さんにからんだりされては困るのです。

 

以前、整形外科病棟に骨折で入院していた20代の患者さんが、病棟で友達になった患者さんと病室で酒盛りをしていました。その後、トイレでひっくり返って寝ていた という場面に出くわしたことがあります。その患者さんは、下肢にギプスを巻いている状態で、幸いけがをすることはなかったのですが、翌日、強制退院になってしまいました。

 

患者さんが飲酒をしたいと言ったとき

飲酒をする患者さん

それでは、入院患者さんがお酒を飲みたいと思った場合、どんな手を使うのでしょうか。外泊や外出をした時に飲んでくる場合が多いようです。患者さんも治療中ということで量は控えるようで、飲みすぎてしまうことはないようです。

 

外泊から帰ってきた患者さんが、「久しぶりにビール飲んだけど、うまかったなー」としみじみ言うの を何度も聞きます。

 

それに対して、医師から注意を受けるということもありません。また、「退院したら最初に何がしたいですか」と問うと、「ビールが飲みたい」と返ってくる場合が少なくありません。お酒 を飲む患者さんは、それだけ飲みたいという気持ちを我慢しているのでしょう。

 

飲酒の徴候を見抜こう

自制心の働く患者さんはいいのですが、なかにはどうしても飲みたくて、病室でこっそり飲んでしまう患者さんがまれにいます。こっそり飲むのですか ら、それほどの量は飲まないと思います。

 

しかし、 アルコールは独特の臭いがするし、顔にも出てしまう場合が多いので、おおむねばれてしまいます。 こっそり飲もうとする患者さんは、怪しい行動を とるようになります。まず、自室やカーテンを閉めきり、中に入られるのを嫌がります。そして、看護師に対して妙によそよそしい態度をとるようになり ます。

 

さらに、風邪を引いているわけでもないのに、臭いや顔色を隠すためにマスクをするようになります。不定期にマスクをするようになったら、かなりの確率で飲んでいると思ってよいでしょう。

 

そんな患者さんに対して、「飲んでませんか」と質問しても、「そんなことするわけないじゃない」と返ってくるのがおちです。

 

日本は、お酒に対して寛容な国です。しかし、病院ではだめです。ほかの患者さんに迷惑をかけない程度、食前酒くらいならいいのではないか、と思うのですが、集団生活で他人に迷惑をかけてはいけない ということ、飲みたくても飲めない患者さんがいる ことを想定して禁止しているのでしょう。

 

やはり、病院の中でハメを外されては困ります。

 

バルーンを入れてもおしっこしたしたい

脳の感覚器は刺激に敏感

バルーンとは、勝耽留置カテーテルのことです。 一般に急性期の排尿管理や、手術の際に留置します。

 

バルーンを留置していると、膀胱に尿がたまることなく排尿が行われます。すなわち膀胱が拡張するこ とはありません。当然尿意は感じないはずなのですが、バルーンを留置しても「おしっこがしたい」と訴える患者さんが少なくありません。

 

これは、バルーンが直接膀胱を刺激するためで、尿が排出されているか否かは関係ありません。膀胱三角部には触覚、渦冷覚、痛覚が分布しています。バルーンを留置した経験のない人には分からないと思いますが、これが想像する以上に鋭敏なのです。 つまり、バルーンがそれらの感覚器を絶えず刺激し ていたら、絶えず「おしっこがしたい」ということ になるのです。なかには、強い痛みを訴える患昔さんもいます。

 

尿管理は高度技術を要する

バルーン留置中に患者さんが、「おしっこをした い」と訴えた時に、「管が入ってるから大丈夫よ」と 安易に言う看護者がいます。生理的なことを理解し ていなければ、患者さんの苦しみを理解することも できません。

 

痴呆や意識障害のある患者さんでは、それが原因で不穏を起こしてしまう場合さえあります。最も過激な行動をとる痴呆悠者さんでは、バルーンカテーテルを自分で引っこ抜いてしまうことがあります。

 

カテーテルを手に持って、「これ何ですか」と......。 バルーン留置中の患者さんが、「おしっこがしたい」と訴えた場合、管を少し進めてバルーンの刺激 を少なくしたり、固定をしっかりするなどの対策を試みますが、苦痛がとれない場合もあります。

 

その時は、やむを得ずバルーンを抜去し、別の排尿管理 を試みます。手術経験がある場合、「何をされてもいいけど、膀胱に管を入れるのだけはやめてくれ」と言う患者さんもいるほどです。 排尿管理は、とても奥の深い看護技術です。いくら臨床経験を積んだとしても、看護師は悩まされることなの です。

 

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