依存症治療に関わった看護師

新種の依存症が増えている

心を病む人が急増しつつありますね。とはいっても、内因性の疾患はほとんど増えていません。例えば、統合失調症の発症率は人口の約0.7%とされいて、この数字は100年前も今も変わらないんです。

 

増えたのは、反応性の病気(外的要因によるもの)です。よく話題にのぼるのはうつ病ですが、各種の依存症も目立つようになりました。

 

依存症について
何かに対する強い執着やのめり込み-それも心身に悪い影響が出たり、経済的に破綻したり、人間関係が壊れるなど、様々なトラブルが生じても止められないほどの異常な執着を、「アディクション=addiction(中毒)と呼びます。

 

そして、アディクションという心の病気にかかった状態が、「依存症」です。

 

依存症というのは昔からあった病気ですが、大半はアルコール依存でした。そのほかは、アヘン、コカインなどを常用する薬物依存、賭け事にのめり込むギャンブル依存ぐらいなもので、要するに「依存の対象」はかなり限られていました。

 

ところが最近は、新顔の依存症がどんどん増えているんだそうですね。

 

多様化する「依存症」にびっくり

依存症専門の精神科医は、「人間は、自分が手を出しやすいものに依仔するんです」と話しています。

 

社会の仕組みの変化や娯楽の種類の増加によって、依存の対象も広がってきたというわけですね。

 

新しいものの一つに、「買い物依存」があります。数年前に「買い物し過ぎる女たち」という翻訳響が出版されて以来、この言葉が日本でも市民権を得るようになりました。いつの時代でも買い物好きの人間はいたはずなんですが、昔はいくら衝動があっても、財布にお金がなければ物を買えなかった。。。。

 

でも、今はカードで買い物ができるし、サラ金で手軽に備金もできる。依存傾向がエスカレートしやすいような背景が整っています。拒食・過食といった「摂食障害」も、近年、増加の一途をたどっています。

 

「摂食障害も依存症なの?」と疑問に感じるかもしれないのですが、「異常な食行動へののめり込み」も、病気の性格や問題点は他の依存症と同じなのです。医師によれば、そのほか、「一見、よさそうなものを対象にした依存」も増えているそうです。

 

例えば、スポーツ依存といったもの。ジョギング中毒になって、雨が降っていようが微熱があろうが、走らずにはいられない。何らかの事情で休むと気になって、仕事も家事も手につかない......

 

また、何かの収集が単なる「マニア」の枠をはみ出して、多額の借金をしたり家族を困らせてまで突っ走るという例も珍しくないとか。

 

常識の範囲ならば何の問題もなく、むしろ「いい趣味ですね」とほほえましく思えることでも、生活がそれ一色に縦りつぶされてしまうと問題が生じてしまいます。

 

依存症の予防もナースの役割だった

ところで、依存というのは、心の安定や心地よさを求めて何かにすがる行為です。無意識のうちに癒しを求める行為だと言ってもいいのかもしれませんね。家族の死や家庭不和、失恋、仕事上のつまずきなどのストレスに直面した時、人間は何かにおぼれて忘れようとすることがありますね。

 

それがいつの間にか手放せなくなって、病気の段階に人ってしまったのが「依存症」なんですね。

 

もちろん、身体的な病気もストレスになっちゃいます。慢性的な病気で厳しい自己コントロールが必要な人が、ストレス解消の目的で始めたパチンコなどに没頭して、ついに依存症に、ということもありうるんです。

 

依存症を予防するのも、ナースの役割だと感じています。

 

依存症の予防として精神科医や心理療法士らの専門家は、「ストレスがたまった時に、一時的に依存できるもの(ストレス解消手段)を増やすこと」をすすめています。

 

気iらしの方法を一つしか持たない人は、どうしてもそれにはまりこんでしまうからという理由ですね。

 

退院後も長期の自宅療養を必要とする患者さんの場合など、ストレス解消方法をいくつも持っているかどうか、不断の会話を通して確かめておくといいと感じています。

 

そして、ストレス解消手段を増やしてあげることはできなくても、少なくともその大切さを話したり、家族にも伝えるぐらいの気配りをしたいですね。

 

自己評価と心の病の関係が大きい

また、「自巳肯定感を高めること」も大切だと実感しています。
依存症、うつ病といった心の病にかかりやすい人は、どちらかと言えば「自己評価が低い」傾向があるような感じがします。

 

劣等感が強く、自分に自信がないっていう。。。。
そのせいで、他者から見捨てられるのではないかという不安や、他者から認められたいという願望も強いようです。他者の期待通りに振る舞おうとして、それがかえって重荷になる。完壁にできない自分自身を、やっぱりダメな奴だと思ってしまう。つまり、普通以上にストレスを感じやすいタイプでなんでしょうね。

 

病気療養中の人達は、一般に、無力感にさいなまれていますね。ましてや、病気が重くて日常の動作に人手を階りる必要があったり、長期療養で家族に負担をかけていたら?

 

もともと「自己評価は普通」だった人でも、次第に自己評価の低い、心を病みやすい状態になりがちなんですね’。だから、看護師はまず、「相手の自己評価をさらに低めるような言動」を慎むべきだなぁって心から思っています。

 

患者さんが何か失敗したりした時、「なぜできないんですか」「ダメじゃないですか」などと、責めたり決めつけるような言築を使うのは禁物ですね。

 

もちろん時には厳しく接する必要もありますけど、「おまえはダメな奴だ」と聞こえるような、否定的な高い方だけはタブー

 

白己肯定感の高め方の基本は、「等身大の自分に自信を持ってもらう」ことですね。

 

自己肯定感を金でサービスを買うことの効用

「自己肯定感」を堂々とお金を払って、美容院、スポーツクラブ、カルチャースクールなど何でもよいから、直接的対人サービスを買うことを勧めている方法もあります。

 

酒などの「物」と違って、対人サービスは人間の係わりのなかで心地よさを味わわせてくれますからね。それをお金を払って手に入れることで、「自分はこのサービスを受ける権利がある」と思うことができ、自己肯定感が高まるのだそうです。

 

身体的な病気を抱えた人にスポーツクラブは無理としても、美容院ぐらいなら何とかなりそうですね。慢性疾患で長期療養中の患者なら、具合のいい時には美容院に行けるだろうし、病院内に美容室を設ける方法もあります。

 

最近は、病院でもボランティアの人達が活躍していますが、心の病の治療には、あえて「お金を払ってもらう」ことも大切なのかもしれないですね。