看護師として悩んでいるならボランティアをする最大のチャンス
ボランティアとひと言で言っても、その種類は様々あります。
特に長い休暇期間や一度看護師を退職して時間があるならフルに生かしたボランティアに飛び込んでみませんか。
社会全体でも年々関心が高まる一方のボランティアを、この機会にあらためて考えてみると、今後の仕事を続けていく上でとてもいい経験になりますよ。
「ボランティア」の語源は、「自由意志」「正義」「勇気」という意味を持つ、ラテン語の「ボランタール」。
これがフランスを経由して英語圏に入って、「人」を表す英語「イア(er)」を語尾に付けて、「ボランティア(volunteer)」になったといわれています。
ボランティアという言葉自体が最初に使われたのは1896年。アメリカで結成された「ザ・ボランティアーズ・オブ・アメリカ(TheVolunteersofAmerica)」という団体が始めた活動が、今日言われるボランティア活動の始まりでした。
ボランティアの定義として、
- 自発的な行動であること
- 問題意識を共有する相手が存在していること
- 協働と連帯の意識を持っていること
の3つがあげられます。
このうち、たとえ一つが欠けても「ボランティア」は成立しない、と言えます。
一般的に考えると、ボランティアとは自分の意志で行うもの、という要素だけが取り上げられがちですが、それでは自発的な意志だけが先行して、状況判断ができないまま「暴走」してしまうことになってしまいます。
たしかに、自分の思いだけではボランティアはできません。自分の考えを共有し、自分が発信したものに応えてくれる、何らかの相手も必要ですね。
ボランティアは一般の視点で携われるチャンス
それでは、看護師がボランティアを行うメリットとは、何でしょうか。
もちろん、自主性が身につく。コミュニケーション技術が磨かれるといったことはあります。医療福祉関係のボランティアであれば、病院の雰囲気に慣れたりベッド・メイキングなどの看護技術の練習になったりと、直接看護の学習に役にも立ちます。
もし、看護師として仕事をしている場合、看護師(医療者)というレンズを通して物事を見るようになります。これが、ボランティアとして参加する場合は、普通の生活者としての視点で物事を見るチャンスだと言えるでしょう。
この普通の生活者としての視点は、やがてナースとして戻ったときに患者さんと接していくうえで、生かされてくるものなのです。
看護師として将来を強く意識してボランティアをするのではなくて、逆転の発想をすることをおすすめします。
さらに、自分にできること、できないことをきちんと表出すること。これがボランティア自身の責任だと思います。
自発的な意志さえあれば、何をしても許されるわけではないし、自分にできないことまで背負い込む必要もありません。ボランティアは、自分ができる範囲内で行うことが大切なのです。
看護師の方向転換の自在さがボランティアの魅力
休暇を利用した看護師のボランティアのもう一つのメリットとして、やめようと思えばいつでもやめられることだと思います。
もちろん、やりたくないからやめます、と逃げる意味での「やめる」とは違います。やってみて、自分に合うか見定めてから、合わないと分かれば方向転換ができる、ということです。
もし、看護師として自分自身があわないのではないか、と心の中で思っているなら、一般の立場にたって自分を客観的にみる大きなチャンスです。
看護学生の時には、一生看護師の仕事に携わりたいと思っていても、その気持ちを何年も持ち続けて実現させていくことは難しいです。ほかに魅力的なことを見つけて途中で進路を変更したとしても、それはそれでかまわない、と思いますよ。
自分自身が何をやりたいのかを見つける意味で、ボランティアという機会を利用するのも一つの方法だと思います。
入職してしまうと、自分に合わないからと辞めて次の道に行くことはなかなか難しいものですよね。看護師としての悩みをかかえながら生活していても、ボランティアなら、ここまでやってみようと自分で期限を設けることもできますし、別の道を探すことも可能です。
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